今週も大荒れの1週間でした。想定どおり、実体経済も悪化していることが出てくる統計データで分かります。というか金融経済→実体経済というように書かれていますが、そもそも実体経済が変局点を迎えた結果、レバレッジの掛かっていた金融経済に最も初めの影響が出てきた、ということであって、「金融が実体経済をおかしくした」とは一概に言い切れないことは認識しておかなければいけないと思います。
とはいえ、金融取引はレバレッジが掛かって大きくなってしまい、自国のGDP以上の貸し出しを行っていた国や、商品市況が調整し資金が急激に逆回転したため為替市場が不安定となり通貨当局が介入をしている国、など世界規模でのUnwindingが進んでいますから、それが大方解消する、つまりDeleverageすることが今回は必要なのだと思います。その際の政府の介入は必須です。
実体経済はこれから悪くなっていきますから、それに対する備えは必要です。日本は筋肉質になってきているのでほかよりは痛みが少ない、ということですが、影響は受けるでしょう。言うなれば、日本が一番俊足だが、そもそも「下りエスカレーターを一生懸命駆け上っている」という状況です。
時間軸にまとまりなく、バタバタ書いてしまいますが…
+:公的介入→金融決済の正常化、業界再編・自社株買い
-:逆資産効果による景気下振れ、倒産
△:インフレ暫く休止
そして、ひと段落すれば、金融に関する規制は強化されると思われ、その際国際的な規制が強化する中心はBIS(国際決済銀行)になるのだろうか?と考えていたりします。ところで、規制業種には人が集まりませんので、金融業界にいた人は、中期的にはもしかすると他の産業に移っていく、または新たな産業を興すかもしれません。ロケットサイエンティストが、金融向学を発展させたみたいに。一方で、この金融危機・景気後退に関係なく、厳然としている事実は「人口増加」。
「変わるもの」と「変わらないもの」をきちんと見極めつつ、その「間」から今後の世界の展開を予想していきたいものです。そしてチャンスもその隙間から読み取っていかなくては…。
p.s. ちなみにかのウォレン・バフェット氏が、個人アカウントで米国株を買っているそうですが、「彼が買っているから、株式は買い」というのは、正しくないと思います。もちろん、バフェット氏の一挙手一投足を世界が注目している、ということは、然るべき過去を築いた結果であると思います。ここで言いたいのは、バフェット氏の投資行動云々ではなく、自ら自分なりの検証、調査、仮説を立てずに「バフェット氏が米国株を買った」ということに安心して、その投資行動に追随しようとする一部の投資家の態度についてです。言い方を変えれば、「自ら考え、行き着いた結果としての投資行動」という自己責任の精神が重要である、ということです。
なぜ、このようなことを述べるか、というと、やはり世の中このように金融資産市場の局面変化をし、それが自らのバランスシートに何らかの影響があった際に、その責任は自らにあるにもかかわらずそれを棚に上げ、他に転嫁したくなるものだからです。
自らに対する戒めも込めつつ、このような荒れた環境になると、機会も生まれやすい傾向にあるので、虎視眈々と自ら調査し、仮説を立てて、検証するという努力をし続けながら、責任ある投資行動したいと思います。
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