2008年11月8日土曜日

重要な認識

ソロスの本を読み、また昨晩会社の人と「逆張る」という行為について話していた中で、重要と思われる認識事項がありましたので、ここに書いておこうと思います。

「地球上の生き物は、群集と同じ方向に動こうとするようにインプットされている」

生物は自らの保身を優先順位高く考えますので、その際に群集と同じ行動をとって、敵に対して大きく見せる、被害を最小限に食い止める、のが通常と思います。

ソロスが「再帰性」と書いたのも、その生物の本性と関係しているはず、と思います。

また、これに対して、逆に張る、という行為はある程度の機械的な仕組みがないと押し潰されてしまう、と思います。

そして、この被害を食い止めるための群集行動が、絶対的な破綻方向に動いていくと、全部が壊滅してしまう、という危険性もはらんでいると思います。

「ブーム・アンド・バスト」はその繰り返しのことを表していると思います。そして、今までの「バスト」はそこまで影響を及ぼしませんでしたが、今回はいくつかの金融商品の規模が凄まじい、という影響もあり、今後も経済に大きな影響を今後与えていくであろうと考えられます。

そして、経済はグローバルに減速しています。

さらに、全然関係ないですが、年末に香港へ行くことにしたのですが、旅行会社に航空券の手配をお願いしたら、「成田-香港」で手配をお願いしたはずなのに、confirmation formに「名古屋-香港」となっていました・・・・。キャンセルお願いしようっと。それか、まぁ名古屋まで行くのも、人に会えるから悪くはないけれども・・・・。

2 件のコメント:

mokayama1016 さんのコメント...

岡山です。大変ご無沙汰しておりますが、いつもブログ楽しく読ませて頂いております。

今回の投稿、実は昔から大変興味がある分野(システム科学)です。大学時代も生命情報学を専攻し、生物が生み出す不思議な群集行為に関して思いを馳せていました。その中でも一番不思議に思っていたことは、遺伝子の中に群集行為をするよう刷り込まれているわけではないのにも関わらず、集団になると群集行為が現われることです。それぞれの個体には相対感の中で何らかのリアクションを起こすようなプログラムがされているだけです。例えば雁行やハチのダンスなどが有名ですが、個体は周りの個体との距離感に関する記憶が遺伝子に刷り込まれているだけです。

同じことが経済システムにも言えるのではないかと思います。

ソロスの言う再帰性は、個体が距離感を図る際に現われるフィードバックの一種だと理解しています。バブルが生じる仕組みも説明できますし、天辺でのちょっとした崩壊が大暴落につながる仕組みも理解できます。しかし予想をすることは出来ないところが大変悩ましいところです。市場は完全に効率的ではないために、一部の人の「予想」通りに動くことはあります。しかしそれは個体のネットワークの中で影響力のあると思われる個体が方向転換を果たしたことにより、集団がそれになびいたことで予想が当たるだけであり、純粋なる予想というよりかはむしろ群集心理の操作に近いものになっています。もしくは、群集行動の代弁者とも言えます。

いつかこの科学を説明できるようになりたいと思いますが、どうやら「答え」を出すことは難しい、という答えになりそうな感じもしています。でもこの科学を解明していくにつれ、市場をよりよいものに変えていくことは出来るのではないかと思っています。

hosokei さんのコメント...

お久しぶりです。その分野を専攻していたのですね。僕はこの分野は専攻していなかったので、とても新鮮にこの話を聞かせてもらいました。

市場の転換点、というのも実はなんでもない一事象が、「転換点」と見なされ、それが広まっていくことで、「転換点」が転換点に事後的に認証され、転換点になっていくのでしょう。

そして、そのなんでもない一事象は全く特定することが難しいですね。僕も、これを予測できたら、せめてその転換点が起きた瞬間にそれが認識できるシステムが作れたら、リターンを上げられるだろうか、と。市場メカニズムは、特に今、この流れが増幅されているように思います。

とても勉強になりました。これからもよろしくです!